リーマンショック以前からFXをしてる方はご存知だと思うんですが、『ポートフォリオ理論』に基づいたトレード手法が、昔すごく流行りましたよね。

NZドルや豪ドルのみならず、トルコリラやハンガリーフォリント、メキシコペソといった高金利通貨のロングやショートを組み合わせてポートフォリオを作り、そして各通貨ペアの相関係数を計算して、退場する確率を徹底的にゼロに近づけて運用するトレード手法です。

私は当時、ポートフォリオを組んで運用してる人のブログをよく見てたんですが、『これで退場しない確率が99.5%』だとか、『この通貨ペアのショートを加えた事で99.7%に上がった』みたいな事を書いておられました。

しかも、ポートフォリオを組んで運用してる人は自分の計算に自信があるので、退場する確率がほとんどゼロだと思ってるから、大きくレバレッジをかけて1日で相当な額のスワップを稼いでたんです。

まだその頃はレバレッジ規制がなかったので、それほど資金がなくても、レバレッジさえかければスワップだけで1日1~2万稼ぐのも難しくなかったですから。


でも、こういったスワップ目当ての強欲なトレードをしてた人達は、残念ながら、リーマンショックで全員退場したと思います。

リーマンショックが起こった直後は、もしかしたら運良く耐えれた人がいるかもしれませんが、そのあと全ての国が金利を一気に引き下げたから貰えるスワップが激減したので、ポートフォリオ理論の前提が完全に崩れましたからね。

だから、これは自信を持って断言出来るけど、リーマンショック以前にポートフォリオを組んで運用してて、それ以降も口座を維持出来た人はひとりもいないでしょう。


ただ、こんな事を書いてると、『ロスカット確率が0.1%とか0.2%のはずだったのに、どうして全てのトレーダーが退場させられたんだ?』と思う人がいるかもしれません。

答えは凄く簡単で、経済は生き物だから、金利も人口も一人当たりGDPも、その他前提となるあらゆる数値が刻一刻と変化するので、数学なんかで普遍の真理を導き出せるはずがないんです。

というか、そもそもそんな難しい事を考える必要もなくて、『高金利は永遠に続かない』というのは冷静になって考えれば簡単に分かる事だし、FXトレーダーとして未熟だったと言わざるを得ないのですよね。


ただ、だからと言って私は、ポートフォリオを組んで運用してた個人投資家の人達を、批判するつもりは全くありません。

私はその当時、すでに4年ぐらいのキャリアがあったから、ポートフォリオ理論に持続可能性がないのは分かってたけど、FXのキャリアの浅い人が、そういう事を分からないのは当然ですから。

キャリートレードの経験者の方はご存知のとおり、『スワップ金利』というのは麻薬みたいな中毒性があるから、冷静な判断が出来なくなるので、私だってまだ相場の事をあまり理解してない段階で出会ってたら絶対飛びついてるし、間違いなくリーマンショックで大損して退場してましたからね。


だから問題なのは、ポートフォリオ理論を煽りまくったカリスマトレーダーなんです。

もちろん、カリスマトレーダーはほぼ全員が低レベルだから(笑)、ポートフォリオ理論がいずれ破産するトレード手法と分かってて煽った奴は少数だろうし、本気で永遠に勝てると思って、本を出したりセミナーをしてた連中が大多数でしょう。

でも私は、『故意じゃなければ許される』のは絶対おかしいと思うし、その当時、ポートフォリオ理論の本やセミナーで散々儲けておいて、その手法が間違いだったって事を投資家に対してきちんと説明や謝罪もせずに、今でも普通に活動してるのを見ると腹が立つんですよね。


以前も書いたんですが、相場の世界には、永遠に勝てるトレード手法はひとつも存在しません。

長期的に利益を出し続けてる本物のFXトレーダーは、常にトレード手法に修正を加えてるし、それに、ただ単にテクニカルに従うのではなくて、『感覚』を重視してトレードしてるんですから。

でも、『トレードの感覚』は決して人に教える事が出来ないものだし、『簡単に勝てます』とか、『必勝法教えます』なんて言ってる連中は全員偽者なので、そういうのに引っかからないようにお気をつけ下さい。

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