それなりにキャリアのあるFXトレーダーなら誰しも1度は、『勝ちやすい通貨ペアが存在するのかどうか』という疑問が頭に思い浮かんだ事があるのではないでしょうか?

もし勝ちやすい通貨ペアが存在するのであれば、エントリーした時点で既にアドバンテージを得てる事になるわけだし、間違いなく戦局を有利に進められますからね。

だから、私も今でこそトレードする通貨ペアはポンド円とユーロドルに絞ってるし、他の通貨ペアに浮気する事は全くないんですが、全然勝てなかった初めの3年間はスランプに陥るたびに、『上手く利益を積み上げられないのは、この通貨と俺の相性の悪さが原因なんじゃないか?』と思って様々な通貨ペアを物色してました。

ユーロドルやドル円、ポンドドル等のドルストレートや、豪ドル円やNZドル円といったクロス円は当然試したし、それに加えて、ユーロポンドやポンドスイスみたいな、少しマニアックな組み合わせにも手を出してましたから。


すると、例えば今までポンド円で使ってたトレード手法を、全く修正せずにユーロ円に当てはめただけなのに、どういうわけか初めは上手くいく事が多いんですよね。

だから、『なるほど。俺はユーロ円と相性が良いんだな。もっと早く気付くべきだった』とすっかり気を良くして、しばらくはユーロ円の虜になるんですが(笑)、ところがある程度の時間が経過すると、またサッパリ勝てなくなるんです。

そして勝てなくなると、『ユーロ円は俺の通貨ペアじゃない。他にあるはずだ』という風に、上手くいかないのを相性のせいにして、『また別の通貨ペアに乗り換える』という行為を繰り返してたんですよね。


というわけで、色々手を出しまくってたから私は20近くの通貨ペアをトレードした経験があるし、日本の個人投資家が思いつく組み合わせは、大体挑戦して何度も痛い目に遭ってるからよく分かるんですが、『勝ちやすい通貨ペアは存在しない』と自信を持って断言出来ます。

『通貨によって値動きにクセがあるから、勝ちやすい通貨ペアは存在する』と主張するトレーダーもいるみたいだけど、少し厳しい言い方をさせて頂くと、こういう考え方をする人は、まだキャリアが浅くて経験不足なのか、あるいは十分な経験があるのにそう考えてるのであれば、『相場の本質』に全く気付いてないんでしょう。

確かに限定した期間においては、値動きのクセが出る事はあるんですが、でも、それは永遠に続くものではないし、経済や市場環境によって随時変化しますからね。


例えば、『スイスフランは基本的に低金利だから、他の通貨に比べるとあまり動かない』と以前は考えられてたし、実際に、主要通貨の中ではボラが一番小さかったんです。

ところがリーマンショック以降、為替相場全体のボラが年々低下していった事によって、それまでとは一転して、スイスフランが外為ディーラーの標的になったので、2011年に関しては、リーマンショック以前は『殺人通貨』と恐れられたポンドをも凌ぐ、激しく動く通貨に変貌しましたから。

だから、指標の時間に該当国の通貨が反応する事を除けば、『不変のクセ』なんてものは存在しないので、『この通貨はこんな風に動く』みたいな決め付ける考え方は、絶対にしてはいけません。


ただ、今まで書いてきた事と矛盾するように感じるかもしれませんが、勝ちやすい通貨ペアを追い求めるのは時間の無駄だけど、その一方でスプレッドの広さや流動性の観点から考えると、『利益を出しにくい通貨ペア』や、『避けた方がいい通貨ペア』は存在します。

例えば豪ドル円やNZドル円は、ドル円に比べるとスプレッドがかなり広いから不利になるし、それにスイスフランに関しては、『ユーロスイスの1.2は絶対守る』というスイス中銀の声明によって、変動相場制を破棄したような状態なんです。

だから、この1.2防衛ラインはいつか必ず撤廃されるし、そして、撤廃された瞬間にユーロスイスは間違いなく暴落するので、実は大きなリスクを孕んでるんですよね。


だからこういった通貨を除外して、ユーロドルやドル円といった、『スプレッドが狭くて流動性が豊富な通貨』と向き合った方が長期的には必ず有利になるし、さらにもう一歩踏み込むと、安定して利益を出せるまでは、通貨ペアはひとつに絞るべきです。

目先の利益に捉われて色んな通貨に手を出す人が多いけど、長期的に勝ててないのに複数の通貨ペアでトレードするなんて、どう考えても理に適ってないし、この状況を飲食店の経営に例えると、『1店舗目が赤字なのに、2店舗目に乗り出す』みたいなものですからね。


もちろん、FXは感覚やメンタルに大きく左右されるし、理屈では説明できない部分もあるので、『豪ドル円はなんか力が湧いてくるんだよ!』みたいな特殊要因が存在するのであれば、『絶対やめた方がいい』とまでは言いません。

でも、余程の事情がない限り、流動性が豊富でスプレッドが狭い、ユーロドルやドル円を私はお勧めします。

私も今はポンド円をトレードしてるんですが、英国はその内ユーロを導入するからポンドは消滅する通貨なので、いずれやって来る波乱を見越して、どこかの時点でユーロドルに専念するつもりですから。

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