主要通貨が軒並み高金利だった頃に隆盛を極め、『絶対に儲かる最強のトレード手法』と位置付けられていたキャリートレードですが、リーマンショックでその不敗神話が崩壊して以降は、話題に上る事は少なくなりました。

リーマンショックによって殆どのキャリートレーダーが退場させられたし、しかも、米国や英国、NZといった、個人投資家に人気のあった国が一斉に金利を下げたので、貰えるスワップが激減して、キャリートレードをする旨みがなくなってしまいましたからね。

ただ、各国が緩和的な金融政策を採用する一方で、リーマンショックから1年後に引き締めに転換して、4.75%まで引き上げた豪州のような例外はあったし、その気になればキャリートレードは可能だったんです。

でも、リーマンショック時の下落率で一番強烈だったのが豪ドル円だったし、あの暴落を目の当たりにした人は、もう一度チャレンジする気にはなれなかったはずなので、そういう事情もあって、キャリートレードはすっかりマイナーな手法に成り下がってしまったんです。


だからキャリートレードは、しばらくの間は忘れられてたんですが、時が経ってリーマンショックを知らない投資家が増えてきたのと、アベノミクスによって急激な円安トレンドが訪れた事によって、また少しずつ、FXトレーダーの関心を集め始めてるみたいなんですよね。

ただ、一旦は4.75%まで金利が上がった豪州も、再び緩和に転換して、現在はNZと同じ2.5%まで下がってるので、スワップがたくさん貰える先進国通貨はひとつもないんです。

だから、スワップを稼ぎたいFXトレーダーは、『キャリートレードをしたい!しかし投資先がない!』という欲求不満状態になってしまってるらしく(笑)、最近はその欲望の矛先が、南アフリカランドに向けられてるようです。


でも、キャリートレードは凄く楽なトレード手法だから、つい手を出してしまう人って多いんですが、スワップ狙いで安易にランドを扱うのは非常に危険なので、絶対にやめるべきですね。

私が何故そう思うかと言うと、2014年、FX5大予想で書いた、『今年の南アフリカ経済は厳しい』というファンダメンタルズ要因もあるけど、でもそれ以上に、『キャリートレードで勝ち続けるのはそもそも不可能』だからです。


こんな事を書くと、『バカな事を言うな!俺はちゃんと長期的に考えてるし、2~3円の暴落は想定してるんだよ!』と反論されるだろうし、ランド円の長期チャートを研究して、過去20年の年間変動率とか、最安値が7.6円といった事を考慮した上で、『現在の10円割れの水準は安い』という投資判断を下してるのは、重々承知しています。

でも、ちょっと偉そうな言い方をさせて頂くと、そういった考え方をしてる内は、FXトレーダーとしてはまだド素人ですね。

相場の世界では、今までの常識を覆す、『ブラックスワン』が起こる事があるから、ランド円が1円まで下がる可能性だってゼロではないし、しかも人間は欲深い生き物なので、一度オイシイ思いをすると、『もっとスワップが欲しい』と考えてしまって、抜けられなくなりますから。

だから、キャリートレードに手を染めると最終的に身を亡ぼす事になるので、こんな危険なトレード手法とは、出来るだけ早く縁を切った方がいいんです。


もちろん、キャリートレードで絶対勝てないわけではないし、『エントリーする時点で、半年~1年のシナリオをキッチリ描いて、完璧なエグジット戦略を予め作っておく』のであれば、利益を出す事は可能です。

でもこの方法だと、1度決済したらトレードチャンスは当分やって来ないし、それに、どれだけ完璧な戦略を用意してたとしても、その戦略を忠実に遂行出来る意思の強い人って、殆どいないんですよね。

スワップには麻薬みたいな中毒性があるので、長く保有してるとポジションに愛着が湧いてくるし、だんだん感覚が麻痺してきますから。


私もスワップに夢中になった経験があるので(参照・200万の含み益を失った日)、キャリートレードにのめり込んでしまう気持ちは凄くよく分かります。

でもFXは、楽して勝ち続けられるほど甘くはないので、相場の世界で成功を収めるには、『毎日冷や汗を流しながら向き合う』という苦しい方法を選択するしかないんですよね。

FXのみならず人生にも言える事だけど、『最も困難に見える道が、実は成功への一番の近道』なので、どれだけ辛くても、やっぱりデイトレードで地道にコツコツ積み重ねるべきです。

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